共生型サービスは介護保険事業所および障害福祉事業所が一つの事務所となり、高齢者と障害者が同じフロアで過ごしながらサービスを受けられるというものになっています。このため介護職は高齢者と障害者を同時に介護していく必要があるのですが、そこで生まれる共生型サービスの問題点として介護職の負担の増加が挙げられているのです。そもそも介護職にとって高齢者に対する介護と障害者に対する介護は異なったものであるという見解を持っており、サービスを提供するとしても高齢者と障害者では対応を変えていく必要があります。それが一つのフロアで過ごすようになれば、一気に介護職にかかる負担が大きくなる可能性があるのです。
また高齢者と障害者を同じフロアで介護していく上で考えなければいけないのが、お互いの安全面です。多くの場面やトラブルを想定して対応策を取っていくことが重要ですが、共生型サービス自体が社会的に普及していないことから事例が多くなく、具体的にどういったトラブルや問題が発生するのか想定しにくいのです。その中で介護職が高齢者と障害者を安全に介護していくためにはどのようにすればいいのか、解決していない課題が多いところも介護職にとって問題だと言えます。
このような共生型サービスの問題点については、介護保険事業所および障害福祉事業所それぞれが連携、協力して問題を解決していく必要があります。また介護職としても高齢者と障害者それぞれの介護に関する知識を身につけ、どのような事態が想定できるのかを踏まえて仕事にあたっていくことが問題を解決するために必要不可欠です。